Love Song ~キミに捧げる歌~
第3章 哀しき別れ
「行かないで…。 お願いだから、ずっと俺の傍にいてよ!」
「…いるよ? 私は、ず~っと、剛典君の傍に…、いるよ?」
「恋歌ちゃん…。」
「私だって…、死にたくないよ…。」
今まで、元気に振舞っていた彼女が、涙を見せた。
「恋歌ちゃん…?」
「私…。 もっと、剛典君と一緒に居たかった…。」
「・・・。」
「でも…、もう無理なんだもん…。」
「そんな事言わないでよ。」
「・・・。」
「俺…、恋歌ちゃんがいなくなっちゃったら、寂しいよ…。」
「ゴメン…。」
彼女は、最後の力を振り絞るように、俺の手を握った。
「今まで…、短い間だったけど…、有難う…。」
「・・・。」
「剛典君…。 …大好き、だよ…。」
そう言うと、彼女は静かに目を閉じた…。
「恋歌ちゃん…? ねえ、目を開けて…?」
彼女の顔を見ると、まだ眠っているだけの様な気がして…。
「恋歌! お願い、目を開けて! …お願いだから、俺を置いて行かないでよ…。」
その後、慌てた様子の先生たちがバタバタと入ってきた。
俺は、母さんに連れられて家に帰った…、らしい。
「らしい」というのは、何故かそこだけ記憶がないからだ。
彼女を失った、という実感は全然ない。
でも…。
悔しくて、悲しくて…。
全然涙が止まらなかった…。