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Love Song ~キミに捧げる歌~

第3章 哀しき別れ


「ねえ。 「月が綺麗だね」って、昔何の英語を訳したものだったか知ってる?」
「えっ…?」
「昔、とある英語の訳が、「月が綺麗だね」だったの。 …何の英語か分かる?」
「…全然分かんない。 教えて?」
「…いいよ。 「月が綺麗だね」は、昔…。」
私は、その英語に気持ちを込めた。

「「I Love You」だったんだよ。」
「えっ…。」
「剛典君、「月が綺麗だね」。」
「そうだね。」
「・・・?」
「…俺も、本当にそう思ってる。」
「…本当に?」
「本当だよ!」

「そう。 …私、剛典君の事、愛してる。」
私は、精一杯の笑顔で、そう言った。

「俺も…。 俺も、恋歌ちゃんの事、愛してる。」
そう言って、私の手を握ってきた。

「ありがとう、剛典君。」
私は、彼の手にそっとキスをした。
「えっ! 恋歌ちゃん!?」

剛典君の照れて赤くなる顔が、可愛くて、格好良くて…。
思わず、「目を閉じて」なんて言ってしまった。

彼は、不思議そうにしながらも「いいよ。」とだけ言って目を閉じた。

…私が、彼氏が出来たらやってみたかった事。
それは…、「自分からキスする事」。

私は、ベッドから背中を離し、剛典君に体を預ける様にしてキスをした。

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