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恋愛妄想短編集【完】

第3章 涙の虜 [完]







はずだった。

















「今日は泣かないのか?レイ」










えっ…










「ソウ…ちゃん?」








「なんだ覚えてんじゃん」










意地悪く笑いながら、レジカウンター越しにこちらを見てくる。








「まさかここでバイトしてるとはな〜、偉いじゃねーか」






「はは…ありがとう」









驚きと恐怖から、かすれた声で答える。









「おばさんからもう聞いてんだろ?また家近くなるからよろしくな」








悪魔のような笑みを浮かべながらいったソウちゃんを、不安いっぱいの表情で見ていた。











「相変わらず変な顔してんな。あ、俺今日から何日かお前ん家で寝るから」









…え!?




そ、そんなのきいてない!!









「ソウちゃんこっちで一人暮らしするんじゃ…?」







「だから部屋片付くまでの間寝る場所ねーから借りるんだよ。じゃ、夜楽しみにしてるから」










最後まで悪魔の表情を崩さないまま爆弾を投下し、ソウちゃんは去って行った。
















それからの残りのバイトの時間は、全く集中できずミスを連発してしまった。












店長からは、家でゆっくり休みなさいと早めに帰らされてしまう始末。












できれ今日は帰りたくなかったけれど…











こういう時に限って早いなんて、神様はやっぱり昔から私の味方なんてしてくれないんだと思ってしまう。










今回のことは完全に自業自得なのだけれど。












でも!!




その原因になったのは、他の何者でもないソウちゃんよ!!










こんな文句本人の前でなんて絶対言えないし、仕方が無いのでゆっくりと家に向かう。








大人になったソウちゃんも、悪魔の笑みは昔のままだったな…



俺様なところも変わってない…








変わったのは容姿くらい?








ない脳みそで色々と考える。







そうこうしているうちに、気付いたら家の前にいた。







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