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恋愛妄想短編集【完】

第3章 涙の虜 [完]





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「ん…」






…あ、寝ちゃってたんだ。



今何時だろう…暗いなあ。






まだ寝ぼけている頭で考える。








寝過ぎちゃったかな、なんて思いながら起き上がる体制になろうと体を動かした。









…?






うご…かない?








私はここに来てやっと頭が働き出したが、なにが起きているのかはまだわからない。








とりあえず動かない体を必死に動かそうともがく。








「…っなんで?」










だんだんと不安になり始め、暗闇目が慣れてきた。










そして、目に映ったのはーーーー















不敵な笑みを浮かべる、悪魔。








「ひっ…!!」








「おいなんだよ、人の顔見てその反応」






ニヤニヤと怪しく笑いながら暗闇の中で話すところを見ると、もう完全に悪魔だな、なんて思う。








…て、そんなことは今はどうでもいい。




ソウちゃんがなぜ私の部屋にいるのか、なぜ体が動かないのか、その方が重要。








私の頭は焦りすぎてもう冷静になっていた。









けれど、やっぱり焦っているもんは焦っているわけで…


何も言葉がでてこないのはそのせいだと思う。









「なんか言えねーの?」







ソウちゃんの言葉に、何かないかと言葉を探す。







「な…んで…私、体…」






途切れ途切れにやっと発した言葉はしっかりと文にならなかった。





伝わるのかも微妙なところ。









「あ?…なんで動けねーのかってことか」









よかった、ちゃんと伝わったみたい。





混乱して動けないっていうのもあるのかもしれないけれど、明らかにこれはそれ以外のことも関係してる。










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