恋愛妄想短編集【完】
第1章 近すぎた想い [完]
「かけるもんはお前でいいから」
そのわけのわからない言葉とともに、私は腰を引かれ、タケルの方に転がった。
「ちょっ!いきなりなに?危ない!」
そして、私を両手で抱きしめる。
少し抵抗するも、相手は一応男。
いくら私に身長があったところで、タケルの力の方が強いことは分かり切っていた。
本当に意味不明、なんだこれは、どういう状況?
一体どう言う流れでこんなことに…。
混乱している私をよそに、タケルは気付いたらパンツ一枚の姿で私の前にいた。
「うわっ!!」
「うわって、人を化け物みたいに…」
呆れながら、私が混乱しているのをいいことに、私の服を脱がせ始めた。
脱がせ始め…は?
待ってよ、なんでだよ、これこそ意味不明だから!
「なにやってんの!?」
「なにって、寒いからさ、あっためてもらおうと思って。人肌を直接感じた方があったかいだろ?」
どういうことだよ!
完全に混乱した私は、気付いたらブラのホックが外されているところだった。
「待てこらお前そろそろふざけんな」
慌てすぎて暴言しか出てこない。
そんな私を抱き寄せ、背中を弄り始めた。
「ひっ…!!待ってそれっ、むり!」
「なにー?背中弱いんだ。ちっちゃい頃から一緒にいたのに知らなかったなー」
「どうでもいいからやめっ…あっ」
変な声が!!
あり得ない、なんでこいつの前で!!
「やーっぱ人肌はあったけーなあ。な?そう思わねー?」
…まあ確かに、さっきまでかなり冷えていた体が、今は丁度いい体温になってる。
その体温がなんだか気持ちが良くて、ぼーっとしてしまった。