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俺が教えてやるよ。

第1章 可愛いね、お姉さん

気のせいなのかな。
さっきの顔も今の顔も、あたしの気持ちに触れる。
あれ………?

『…あのさ、優李くんって兄弟いる?』

「…え?いないよ?」

『そう…だよね』

やっぱり気のせいか。
アイツに似てる気がしたんだけど…。

「それよりお姉さん」

『優李くん、あたしはお姉さんじゃなくて……』

「“桃香”」

『えっ?』

いきなり名前を呼ばれて、ドキリと高鳴る胸。

「間違ってないよね?」

『う、うん…っ!?』

「可愛い名前だね、お姉さん」

…って、はっ!
一瞬ときめいたあたしがバカでした!

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