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俺が教えてやるよ。

第2章 あの性悪女(しょうわるおんな)

『香苗ー』

「ちょっと待ってっ」

慌てて出てきた香苗を確認して、あたしは身体を教室から廊下に向けた。

『香苗、早く……っ』

―ドンッ!

『きゃ…っ!』

―バサバサッ!

何かにぶつかり、落ちた教科書。

「…っと」

目の前で誰かがよけた。

『…っ、すいませ…』

あ、あたし、誰かにぶつかっちゃったんだ!
ぶつかった人物を見上げた瞬間、時が止まってしまった。
……ウソ。

「…大丈夫?」

目の前のキレイな顔は、貼り付けられたみたいな天使の笑顔を、あたしに向けた。

『…げっ』

「えっ?」

…っは、いけない!!
慌てて口を押さえてみたけど、もう手遅れ。
しっかり声出しちゃってます…。

傍で不思議そうな顔で…白王子があたしを見ている。
サァーッと血の気が引く。
……やっちゃった。

白王子に喧嘩売っちゃったよ〜。
チラリと白王子を見ると、顔色ひとつ変えずにあたしに教科書を差し出してきた。

…ん?あれ?

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