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俺が教えてやるよ。

第2章 あの性悪女(しょうわるおんな)

「もしかして後輩くん、桃香のこと狙ってたりして」
香苗の言葉に、あたしは飛び起きる。

『…っな、ないない、あるわけない!そんなことっ!』

「なに、慌ててるのよ」

『え…っ?いやぁ…』

そういえば、そうだよね。
いくら免疫ないから……って違うわ!
何であたし、慌ててるの?
「いーじゃん。女は言い寄られてるときが華だよ」

『えっ?』

「言い寄られなくなったら、おしまい。悲しいよね」
…なるほど。

『香苗が言うなら納得かも』

今は彼氏がいないとはいえ、何だかんだで過去に付き合ったことがある香苗は、あたしから見れば恋愛のプロ。

「なによ、それ」

『元気が出たってこと。それより、次移動だよね?行くよっ』

教科書と筆箱を手に取る。
へぇ…女の子は言い寄られてるときが華なのかー。
なんだなんだ、それならいいじゃん。

香苗の独り言に納得する。我ながら単純な性格に感謝しなきゃね。

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