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KAGO

第4章 誘惑

「常連さんにね、配達頼まれたんだけどちょっと荷物が多いの。主人は姑さんのお世話に行ってるし…良ければ手伝ってくれないかしら?」


(姑さんのお世話…
駄菓子屋のばあちゃん、無事だったんだ!)


僕は車内をチラリと見た。
確かに段ボールがいくつか積まれてあって、女性一人で運ぶには大変そうだ。
きっと勇也なら喜んで引き受けるだろう。


「…いいですよ」

事情知ってるし、無下には断れない。

「ありがとう、緒方くん」

フッと夏奈子さんは微笑した。


(……美咲の方が全然かわいい)


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