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KAGO

第4章 誘惑

車は険しい峠道を走っていた。
こんなところに家なんかあるのだろうかと若干不安になっていると、

「大丈夫よ、もうすぐ着くわ」

僕の気持ちを察してか、夏奈子さんが答えてくれる。
すぐに視界は開き、古びた洋館が目に飛び込んできた。


「こんなところに洋館が…」

まるで某ホラーゲームに出てくる洋館みたいだ。
あまりいい感じはしない。

軽自動車を玄関のそばに停めると、夏奈子さんは僕に段ボールを車から出すよう指示した。

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