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KAGO

第6章 夢の続き

(逃げなくては殺される……!)


グッと奥歯を噛んで、僕は夏奈子さんを睨んだ。

「残念だわ、あなたは特別だから、もっとじっくり味わいたかったのに……」

わけがわからないことを言いながら、夏奈子さんは一歩一歩僕に近づいてくる。


「あの子に渡すのはもったいない……あなたは私が食べてあげる」

「!」


また『あの子』って言った……。
一体誰のことなんだ……


そう思った時、



ヒュンッ



耳元で風を切る音がした。

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