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KAGO

第6章 夢の続き

「あああああああっ!!」

「!!」


悲鳴をあげる夏奈子さんの胸元を見ると、一本の矢が突き刺さっていた。
僕はとっさに矢が飛んできた方向に目を向ける。

窓が少し開いていた。



「いやぁあああ、痛いっ……痛いっ……!」

うずくまりながら、夏奈子さんは矢を必死に引き抜こうとする。


「いだいっ……いやよっ……まだ死にたくないっ……」

真っ赤に染まった手を、必死に僕に差し伸べてくる夏奈子さん。


「くっ…!」

その姿はまるで魔法が解けた、醜い老婆のようだった。

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