テキストサイズ

KAGO

第7章 正体

「……どこに住んでるかは知らない。でも今なら学校にいるよ」

美咲は不安な表情で答えた。

「……ありがとう……」


僕はもう一度、美咲を強く抱きしめた。
もしかしたらもう二度と、会えないかもしれない…


歩き出そうとすると、

「待って!」

美咲は僕の腕にしがみついてきた。


「離れたくない、私も行く」
「美咲…」
「わけがわからないけど、今離れたらもう二度と会えない気がするの」


美咲も僕と同じ気持ちでいてくれるんだな…
こんな状態じゃなければ幸せなのに…


「…わかった」

美咲は僕が守る。


降りしきる雨の中、僕は美咲の手を取り歩き出した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ