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KAGO

第8章 真実

ユラユラと男がこっちに近づいてくる。

僕は必死に辺りを見回した。
美咲の気配は感じられない。


(とにかく部屋を出て、先生たちに助けを求めるしかない!)


そう思った僕はゆっくりとドアに近づいた。

ドアに手をかけて開けようとする…
が、なぜか鍵がかかっていた。


「!?」


外側から鍵が!?

いつの間にっ……



「絶体絶命ね、子猫ちゃん」



七瀬美景は楽しんでいた。
上機嫌でピアノを弾き始める。

僕がこの世で一番聴きたくない曲を、優雅に奏で始めた。


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