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第1章 出会い

「ただいまー」

「おかえり」

「裕兄ちゃん!こんな時間から家におるって珍しいな」

「瞳が帰ってくるって聞いて飲み会断ってきたんや!」

「そうなん?!ありがとう。笑」

「疲れたやろ。ご飯食べりや」

そう言って鞄を持ってくれる、兄ちゃん。
年が6つも離れてるからとっても優しい。

「あ、先にちょっと練習させて」

さっき先生に言われた場所、忘れないうちに弾いておきたい。

「ホンマピアノばっかりやねんからー」

呆れる兄をよそに自分の部屋へ向かう。

♪〜♪〜♪

「あの子、ホンマピアノばっかり弾いてるけど彼氏とかおらへんのかな?」

「可愛い娘が嫁に行けなかったらどうしよう。。。」

「俺の友達紹介しよかな。。。」

リビングでテレビを見ながら色恋沙汰のない私の心配をする家族。

「あ!最近この子かっこいいと思うねん〜。どう思う?お父さん」

音楽番組のアイドルグループを見て指差す母。

「最近の若い子はみんな同じ顔に見えるからわからんわ。うちの裕太が1番かっこいい!」

「親父…!あ、おかんのかっこいいって言ってる子、俺と同じ名前の奴ちゃん?」

「そうなん?かっこいいとは思うけど名前知らへんわ〜」

「知らんのかいな!」

ガチャ

「ご飯ちょーだいー」

「あ、瞳!練習終わったん?聞いて聞いて!最近お母さんこの子の事好きやねん〜」

またもや指差す母。

「ジャニーズとか興味ないわ〜」

画面を見るとアイドルグループが歌って踊っている。

ん??んん????

センターで歌ってる人。。。。どっかで見たような。。。

「これ、誰?」

「それがお母さんもわかれへんねん〜」

そう言ってキッチンに向かう。

「多分その子、玉森裕太って子やで!俺と同じ名前。今むっちゃ人気あるらしいで!」

「たまもり。。。ゆうた。。。」

カメラに向ける笑顔を見て思った。
絶対そうだ。
この人今日新幹線で会った人!!!
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