
泣いて、笑って、恋をした。
第2章 act1
ホールの外に出るとおじさんが玄関先に車を停めて待っていてくれた。
「今日はありがとうございます」
おじさんに頭を下げると頷いて「寒いから早く帰ろうか」と優しく言ってくれた。
おじさんの車に乗りホールを後にした。
車内は誰も話さず、ずっと無言のまま店についてしまった。
「ありがとうございます」
バタンと車のドアを閉めると、助手席の窓が開き「何かあったら遠慮しないでよ」とおばさんが言ってくれたから、私は頷いてから車から少し離れて、帰って行く車を見送った。
