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泣いて、笑って、恋をした。

第2章 act1






人はどのくらいの血を失うと死んでしまうんだろう。





私はツカツカと男に近付いて男の血まみれの頬を2、3度叩いて「死んだ? ねぇ、このくらいで死ぬの? ねぇ、」と声をかけた。




当然気を失っている男は何も答えない。
手には生ぬるくヌルッとした感覚だけが残り気持ちが悪かった。




「……なんだ、お前」




男の横で彼が冷めた瞳で私を見下ろしていた。



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