テキストサイズ

チェックメイト

第2章 君の体温 乗せて

「…旨いか?」

ニ「うんっ!」

小学生みたいに満面の笑みを浮かべた。

「そうか。よかった」

二宮の満足気な笑顔を見て、俺はパスタを頬張る。

ニ「櫻井さんは、パスタが好き?」

「ん?まぁな」

水を一気に喉に流し込んで、
俺に問いかけた。

ニ「俺は櫻井さんが好き♡」

「ブフッ!」

あぶなっ。
また、吐き出すとこだった。

ニ「もぉー、テンパりすぎ♡」

笑いながら、俺にナプキンを渡した。

「おまっ…なに言って…」

ニ「櫻井さん家泊まっていい?」

「駄目だ。」

コイツ、泊めて貰いたいが為に好きとか言ったのか。

はぁ、本当に呆れる。

「お前な、気軽に好きとか言うもんじゃないぞ」

ニ「へ?」

「好きっていうのは、本当に好きな相手にしか言ったらいけない言葉なんだよ。気軽に男相手に使うな」

説教染みた言葉を言い、
再びパスタを頬張る。

今度は、しっかり食べた。

ニ「俺は……」

……また、震えてる。

「二宮」

ニ「俺は…俺は……」

震えが大きくなる。

「二宮」

ニ「俺は…っ…俺は…うっ…」

俺は、二宮の隣に座り肩に手を添える。

「大丈夫だから、落ち着け」

ニ「っ…はぁ……うっ…」

息苦しそうな二宮の背中を擦る。

「深呼吸しろ、辛かったら俺に凭れろ」

伝えると、俺に凭れかかった。

体に余計な力が入ってる。
どうしてこんなに……。

ギュッ…。

「二宮?」

俺の手を震える手で、握った。

ニ「えへへ……もぅ、少し…」

俺に全体重を預け、無理して笑った。

「笑わなくていいから。ほら、泣いてろクソガキ」

握られる手を、握り返してやった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ