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第12章 僕の理想も

ニ「あれ、ヒロ」

前「よ、二宮」

和也が、トイレから戻ってきた。
したら、前原の上に座った。

前「なに甘えてんだよ」

ニ「甘えてないよ。元は俺が座ってた椅子だし」

くっそ…。
ヒロちゃん、ズルい。

俺も上に座ってほしい!

ニ「で、なんの話してたの?」

「あー、派閥の話?」

前「そうそう。知ってた?」

ニ「うん。俺と智の派閥でしょ?」

和也がヒロちゃんに体を向けて、
ニコっと微笑んだ。

前「知ってたんだ」

ニ「うん。あと、なんかファンクラブもあるらしいよ」

ヒロちゃんの上から下りて、
壁に寄りかかった。

……俺の上に座っていいのに。

「ファンクラブ?そんなのあんの?」

前「ちなみに俺は、おーののファンクラブに入ってるぞ」

「はぁ?」

ニ「えー、ヒロ酷いなぁ」

口先ではそんなことを言って、
頬は少し緩んでる。

和也、ヒロちゃんのことあんまり好きじゃないんだろうなあ。

「ヒロちゃん、俺が好きなの?」

前「うん、そーだよ」

笑顔で答えるヒロちゃんに、
少し…ほんの少しだけドキッとした。

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