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チェックメイト

第12章 僕の理想も

ふらつきながらも、保健室に足を進めていく。

途中途中に、手を貸してくれる同級生とか先輩がいてくれて……

派閥ってこういう時に便利だよな。

でも……
ふらつきは治まりそうにない。

頭痛だけじゃない…。
なんか、気持ち悪い…。


「……っ…」


「駄目だ」
そう思った瞬間に、意識を手放した。


───────

懐かしい匂いがした。
新築の匂い。

その匂いに微かに混じる、ラベンダーの匂い。


「あぁ…この匂い…」


好きなんだよなあ。
“みんな”は、嫌いだっていうけど。


毎日“みんな”と生活してた。

クラスメートは、俺に非難の目を俺に向けながらも『社交辞令』のような付き合いをしていた。

でも、そんな中…
智だけは遊びに来てくれた。

智だけは“みんな”とも、
俺とも仲良くしてくれた。


安心する。


この匂いが、一番安心する。

あとは…“みんな”がいれば……。

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