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チェックメイト

第2章 君の体温 乗せて

(櫻井side)

「なんで、助手席に座るんだよ」

ニ「ん~?櫻井さんの近くにいたいからだよ♡」

『惚れてる』

とか、冗談かと思ったら
これ以上ないってぐらいの幸せそうな顔で笑ってたんだ。

そんな顔した奴に、
「隣に座るな」
なんて言えないしな…。

ニ「……やっぱ、後ろ座る」

俺の空気を察したのか、
後ろに座ると言い出した。

「そんな時間ないぞ。もう出すからな」

ニ「………うん」

嬉しそうに笑った。

「二宮」

ニ「はい?なんですか?」

「俺の家、狭いし汚いよ」

家に着いて、文句言われんのが嫌だから
あらかじめ言っておかないと。

ニ「うん、いいよ」

「あ、着替えどうする?」

ニ「ん~、忘れてた…」

そう言ってゴソゴソと黒いリュックを漁りはじめた。

「?」

ニ「着替えか…どうしよ…」

「!」

ニ「まぁ、いっか」

ゲーム始めやがった。

え、着替えどうすんの?

着替えより、ゲームが大事!?

「よし、買いにいくぞ」

今からだったら、ギリギリ店開いてる。

……と、思う。

「お前、サイズわかるよな?」

ニ「……」

「おい、聞いってか?」

ニ「……」

「二宮」

ゲームに夢中で、俺の話なんてまるで耳に入ってない。

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