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第14章 君が溢れてる

その笑い声が、怖かった。
何を考えてるのか…分かんないから。

怖いよ。

思わず俺は後退りをした。
したら、櫻井さんの笑い声が止まった。

櫻「泣くほど、気になった?」

いつもみたいな優しい声で、
問いただされる。


「……う、ん」


それが、余計に恐怖心を大きくした。


櫻「コレ、お母さんの」


にこやかに笑った。
なのに…目の奥が笑ってないような気がして…

怖い。


櫻「二宮?」

「ごめん、なさい…」

櫻「え?」

「ごめんなさい…っ」

このハンカチのことについては、
聞いてほしくなかったんだと思った。

だから、謝った。
この恐怖を消したい。


櫻「二宮?」

「本当に、ごめんなさい!」


パニックだった。
暴力を振るわれるかと思った。

犯されるかと、思った。


櫻「二宮、大丈─」


「嫌だ!」


触れた手を必死で払った。


「やめて!悠斗さん!」


いつ?
悠斗さん、いつここに来たの?

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