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第14章 君が溢れてる

────

悠「和くん、痛いの嫌だよね?」

始まる前、必ずこう言った。

悠「返事は?」

「はい…」

悠「緊張しなくていいよ、一緒に気持ちよくなろうね?」

そう言って慣らしもしない蕾に、
無理に押し入った。

痛かった。
悔しかった。
怖かった。
辛かった。
悲しかった。

全ての感情が入り交じって、
涙になった。

悠「和くん、なんで泣いてるの?気持ちいから?」

獣みたいに腰を振って、
「はぁ、はぁ」
と、気持ち悪い声を洩らして聞くんだ。

「あ、あっ、あっ」

こんな風に、
甘い声を出せば悠斗さんは満足し──


悠「もっと、気持ちいことしようね」


そう言って取り出すのは、
いつものアレなんだ。

鞭、お湯、縄……

嫌だよ。

呟くと、殴られる。


悠「和くん、気持ちいよね?」


歪んだ笑顔が、
脳裏から離れないんだ。


──────


「嫌じゃないから…殴らないで…」


嫌じゃない…
だから…お願いだから……


殴らないで。

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