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第15章 今、思いのままに

俺は、施設で育った。
物心ついた時から、施設生活だった。

だから学校では、冷たい視線を注がれてた。

だけど、一人だけ、俺に明るい笑顔を見せてくれる人がいた。

大『和也!鬼ごっこしよ!』

智は、俺のことを和也と呼んだ。
誰一人、俺を和也とは呼ばなかったから凄く新鮮だった。

─────

大「ねぇ、和也」

「ん?なに?」

大「和也はさ、寂しくないの?」

この言葉の意味を、小さいながら理解していた。

「…寂しくないよ!」

何度も強がった。
寂しさなんて、感じないようにしていたから。

大「ふーん。今度、和也ん家遊びに行っていい?」

「え?」

大「ダメかな?」

「いいけど…皆に聞いてみる」

大「本当!?楽しみだな~」

─────

智は、施設の子と俺と楽しそうに遊んでくれた。

それに、智は面倒見がよくて
小さい女の子から何度も結婚しようと言われたらしい。

それも、今や笑い話になった。

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