テキストサイズ

チェックメイト

第15章 今、思いのままに

少年「ごめんなさい!取ってください」

俺ら少し大きい男の子だった。
目を合わせて、取る意思を確認した。

「はーい!」

ボールは、道路まで跳んでいた。
ちょうど、信号が赤で道路に出た。

車もそれほど通ってなかったから、
軽く走ってボールを取った。


大「和也!」


歩道で待っていたはずの智が俺を抱き締めた。

「え、さと…」


ブーッ!


クラクションの音が耳に入った。
振り向くと、シルバーのワゴン車が俺らに向かって来ていた。


“ああ、もう死ぬんだ”


“やっぱり、いらない子だったんだ”


頭を過った。
涙と笑みが溢れた。


“みんな、ありがとう”


俺を抱き締める智を強い力で、
歩道付近に突き飛ばした。

大「和也!」


バンッ!


ストーリーメニュー

TOPTOPへ