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死んだと思った。
なのに、痛みすら感じない。

「あ……」

？「痛ってぇ…」

大きい体が俺を包み込んでいた。
そして、抱き上げられた。

運転手「だ、大丈夫ですかっ！」

？「ああ、大丈夫です。ケガも大したことありませんし」

俺を抱き上げた男の人は、ほっぺから血が出ていた。

運転手「ボク、大丈夫？」

「あ……」

声が思ったようにでなかった。

？「あー、大丈夫です。ね？」

男の人が優しく声をかけてくれた。
その声に俺は頷く。

運転手「すいませんでした！」

？「そんなに謝らなくても…。お仕事中なんじゃないんですか？」

運転手「失礼します」

シルバーのワゴン車に乗り込んで、
窓を開けてもう一度謝って運転手さんを乗せた車は去って行った。

？「不幸中の幸いだな。大通りだっつーのに全然人がいねぇ」

笑いながら歩道に戻って俺を下ろした。

？「大丈夫？痛いとこない？」

頭を撫でてくれた。

「ありがとう」

？「うん。良くできた子だ」

大「お兄さん、ありがとう！」

？「君も、飛び出したらダメだよ？」