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第16章 まるで光のwave

櫻「ん」

口に歯ブラシを咥えたまま、俺に歯ブラシを渡した。

「ありがと」

歯ブラシの色は、二人で選んだ。
櫻井さんの色は、赤。
俺の歯ブラシの色は、黄色。

コップも二つ。どっちも、水色。

こんなお揃いとか、俺用の物とかは、
全部今年になってから揃えたもの。

櫻井さんが、
『そろそろ、物とか揃えないとな』
って、言って二人で買いに行った。

櫻「二宮、磨いてやろうか?」

「ひゃめて」

櫻「え?嫌なの」

「ひや」

櫻「そっかー、嫌なんだ」

スッと歯ブラシを口から抜かれた。

「え、ちょっと…」

櫻「ほら、口、開けて」

なんで、そんなにしたがるんだよ。
人の歯を磨いてやろうってなんで思えるんだよ。

まず、それにビックリだわ。

櫻「磨いてやるから」

「頼んでないし」

櫻「お前が頼む日なんてこねぇだろ」

「うっ…」

それは、言えてるけど…。

櫻「別にいいや」

歯ブラシを返した。
本当、飽きっぽいよな。

なんか、急に一気に冷める…みたいな。

姉貴にも、冷めたのかな。

そう考えると、不安になった。

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