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第16章 まるで光のwave

車に乗り込むといつもの話が始まった。

二「今日、なに食べたい?」

「んー」

毎日、俺の食べたい物を聞いてくれる。
だけど、その全ての願望が通るわけではない。

二「何でもいいよ」

「何でもいいとか言っといて、昨日はラーメンじゃなかったじゃん」

二「櫻井さんはラーメン食べ過ぎなの」

「ラーメンうめぇじゃん」

二「はぁ…」

呆れたようにため息を吐かれた。

二「で、何が食べたいの?」

「キャビア、フォアグラ、トリュフ」

二「……バカにしてんの?」

ヤベ。怒らせた。

「冗談だっ─」
二「わかってるわ」

食い気味の返事が返ってきた。

「…ごめんなさい」

二「別に」

「あとさ、明日、外食しようよ」

二「え?」

「俺、恋人と誕生日迎えるとか初めてだからさ」

休み日に誕生日とか久々。

二「え…マジ?」

「うん、マジ」

二「今までの彼女とかと、誕生日祝ったことないの?」

「ないよ。仕事だったから」

二「………有り得ない」

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