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チェックメイト

第16章 まるで光のwave

「有り得ないなんて言うなよ」

二「だって、普通は恋人との時間を優先するでしょ!」

「でも、仕事はしないとだろ」

二「これだから、仕事バカは……」

今さらっと酷いこと言われた気がする。

『仕事バカ』?
……酷いけど、言い返せねぇ。

確かに、仕事には真剣だし…
なんか恋愛はついでっていうか…。


二「どうせ、恋人なんて“ついで”にぐらいにしか思ってないんでしょ?」


「お前は、エスパーか!」

ついついツッコんでしまった。
結構な大きい声で。

二「え?マジでそう思ってんの?」

「……まあ」

長い沈黙が俺を襲った。

二「……そっか」

「…。」

え、その『そっか』ってなに?

二「俺、“ついで”なんだね……」

あ、スイッチ押した。

二「そうだよね。櫻井さんは、仕事の方が大切だもんね。」

「違っ…」

二「違わない!」

どうして、こう……
思ってることが伝わんないんだ。

俺は、二宮だけは“ついで”と思ったことは一度だってない。

二「なんか言えば?」

車は、いつもの学校の近くのコンビニに停められていた。

二「……じゃあ」

そのまま、車から降りていった。

いつもの『いってきます』
の言葉もなしに。

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