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第17章 星がじわり

「潤さんは、仕事帰りですか?」

松「ん?違うよ。」

「へ?じゃあ、なんでスーツ着てるんですか?」

松「営業の資料を受け取りに、近くの営業先にね」

「へー、お疲れさまです」

松「和くんは、学校帰りでしょ?」

「はい」

松「一人暮らし?」

「えっと…同居してます」

松「あー。だから、たくさん買ってるんだね。その同居人は、恋人?」

「まあ…はい」

松「和くんって、歳上の人が好きなんだね」

「え?」

松「いや、学生だけじゃ生活できないでと思ったからさ」

少しだけ動揺が見えた。

「あぁ…」

松「その人のこと、好きなんだね」

「へ?」

松「幸せそうな顔してるから」

「……そうですかね…」

確かに幸せだけど、
ケンカしちゃったし……。

松「ん?何かあったの?」

「……まあ」

松「どうしたの?俺でよかったら話だけでも聞くよ?」

「ありがとうございます。でも、もう家着いちゃうんで」

松「じゃあ、そのときは連絡してよ」

「ありがとうございます。何かあったら遠慮なく電話させていただきます」

『遠慮』を強調して言った。

松「うん。待ってるね」

その場で潤さんと別れて家に向かった。

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