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第4章 刻む時間

ニ「ねぇ、櫻井さん」

車に乗り込むと、話しかけてきた。

「ん?」

ニ「櫻井さんって、姉貴のどこに惚れたわけ?」

「お前、急にぶっこむなよ」

お陰で、シートベルトが閉められなくなっただろ。

ニ「あー、もう…大丈夫?」

俺の手にそっと触れて、
カチャとシートベルトを閉めた。

「あ、ありがと」

ニ「どういたしまして」

にこやかに笑った。
その笑顔がどうも、輝いて見えた。

「……行くぞ」

ニ「はい、どーぞ」

車を発進させると、
二宮がまた同じことを聞いてきた。

ニ「姉貴のどこに惚れたの?」

「だから、ぶっこむな」

てか、もう好きじゃねぇし。
冷めたし。

好きだとも、もう思わないし。

ニ「いーじゃん。教えてよ」

「別に、惚れてねぇよ!」

しつこく俺に問いかける二宮を
怒鳴ってしまった。

ニ「……ごめんなさい」

なんか…

ムカムカしてきた。

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