チェックメイト
第5章 目の前を閉ざして
「二宮」
ニ「なに?」
少し不機嫌そうに、返事をした。
不機嫌なのは俺が
“彼女がいること”
を、強く否定しなかったからだ。
「二宮は、俺のこと好き?」
ガシャンッ!
手から食器が滑り落ちた。
ニ「ご、ごめん…」
しゃがみこんだ。
「あ、触らなくていいよ。俺がやる」
キッチンに回り込み、破片を重ねて…
「イテッ」
ニ「ふっ」
「人のケガを笑うな」
ニ「だって、俺が拾うとか言っといて」
含み笑いをして、親指を舐める俺を上目遣いで見つめた。
「しゃーねぇーだろ。食器なんて割ったことないし」
ニ「えー、独身なのに割ったことないんだねー。彼女がやってくれるからね。」
吐き捨てるように言って、食器の破片を重ねた。
「だーかーらー、彼女はいないって」
ニ「どーだか」
俺をいじってるように見えるが、
違うんだな。
悲しいとか、寂しいみたいな感情を必死で抑えるためなんだ。
「二宮、もっかい聞くぞ」
ニ「……」
「お前は、俺のこと好きか?」
ニ「なに?」
少し不機嫌そうに、返事をした。
不機嫌なのは俺が
“彼女がいること”
を、強く否定しなかったからだ。
「二宮は、俺のこと好き?」
ガシャンッ!
手から食器が滑り落ちた。
ニ「ご、ごめん…」
しゃがみこんだ。
「あ、触らなくていいよ。俺がやる」
キッチンに回り込み、破片を重ねて…
「イテッ」
ニ「ふっ」
「人のケガを笑うな」
ニ「だって、俺が拾うとか言っといて」
含み笑いをして、親指を舐める俺を上目遣いで見つめた。
「しゃーねぇーだろ。食器なんて割ったことないし」
ニ「えー、独身なのに割ったことないんだねー。彼女がやってくれるからね。」
吐き捨てるように言って、食器の破片を重ねた。
「だーかーらー、彼女はいないって」
ニ「どーだか」
俺をいじってるように見えるが、
違うんだな。
悲しいとか、寂しいみたいな感情を必死で抑えるためなんだ。
「二宮、もっかい聞くぞ」
ニ「……」
「お前は、俺のこと好きか?」