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第5章 目の前を閉ざして

ニ「好き…」

背中に何度も頬をスリスリしてくる。
その仕草と二宮の表情がどうしても見たくて、
二宮の腕を外してゆっくり振り返る。

「二宮」

今までで一番、幸せそうな顔してる。

恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしてる。

「照れるな」

ニ「だって!…しょーがないじゃん」

「二宮、泣くなよ」

ニ「えっ、ちょ…なにしてんの!」

目を手で覆う。

ニ「櫻井さん、離してっ」

「だーめ」

ニ「なんでよ!…んっ」

目を覆ったまま、頬にキスをする。

ちゅっ。

リップ音が響く。

「めでたくホモデビューだ。キスぐらいさせろ」

ニ「ズルい」

ちゅっ。

「何が?」

ニ「俺も、ホモデビューなのに」

ちゅっ、ちゅっ、ちゅー。

「あ、お前もなんだ」

ニ「なんでほっぺばっかなの?」

「ほっぺ以外がいいの?」

意地悪く聞いてみる。
したら、予想外の答えが返ってきた。

ニ「目がいい」

「は?」

頬にキスをする寸前で止まる。

ニ「だから、目がいい」

「なんで目?」

手を外して、目を露にする。

そしたら、案の定泣いていた。

ニ「目がいい…」

泣きながら、訴える二宮の目にキスを落とした。

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