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第6章 夢を見てる

「じゃあ、一つだけ聞いていい?」

側にあるタオルケットを二宮にかけて、しっかりと目を合わせた。

ニ「うん…ちゃんと答える」

目が据わってるように見えるけど、
奥がゆらゆら揺れてるんだ。

「どうして俺のことを知ってたの?」

ニ「えっ」

期待してた質問じゃなかったらしくて
キョトンとした顔をする。

「俺、思い出せないから教えてくれ」

ニ「嫌」

「え?」

ニ「絶対に教えたくない」

「なんでだよ」

ニ「嫌なの」

頑なに、嫌と言い張る。
ちゃんと答えるって言った癖に。

ニ「その話は、したくないの」

「そうなの?じゃ、明日は荷物取りに行こうか」

ニ「……う、うん」

少し、表情を歪めて頷いた。

「嫌?」

頬を撫でる。

ニ「……櫻井さんと一緒ならいい」

「どうして?」

ニ「だって……怖い、から…」

目が左右に泳いで、怯えていた。

「悠斗さんが?」

ニ「っ!ど、どうして……」

言ってたことに気づいてないみたい。

「俺をそう呼んで、叩いてたから」

ニ「ごめんなさい…ごめんな…」

「あのさ、謝るぐらいならキスして」

ニ「え?」

「俺、二宮が謝る度にキスする」

ニ「は?」

「あ、謝らなくてもキスはするけど」

ニ「……変態」



いつか、絶対に救うから。



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