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第7章 縮めた距離

二宮は泣き疲れて、俺の腕の中で寝てしまった。

そして、俺も二宮の温もりに包まれて寝てしまっていた。

「んぁ~…」

二宮が起きない程度に、体を伸ばした。

「ふわぁあ…」

起きたばかりなのに欠伸をした。

目線を下に落とすと、
涙のあとが付いた二宮がスーっと寝息をたてて気持ち良さげに寝ていた。

二宮が俺に心を開いてくれてるって
実感することができる。

少し緩む頬を抑えながら、ゆっくりと体を離す。

ニ「…んっ…んぅ?」

離れる体に気づいたのか、
うっすらと目を開けて俺を見上げた。

「おはよ、って言っても深夜だけど」

時計が示すのは、3時。

けっこう寝てたんだな。

ニ「喉、乾いた」

「ん。持ってくる」

再び、体を離そうとすると裾をクイッと引っ張られる。

「どした」

ニ「……なんでも」

口ではそう言うくせに、
俺の裾を放す気配はない。

「なんだよ、喉乾いてるんだろ?」

ニ「うん……」

「引っ張られてたら取りにいけないんだけど?」

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