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チェックメイト

第7章 縮めた距離

(二宮side)

『引っ張られてたら取りにいけないんだけど?』

ニヤリと笑って俺に問いかけた。

くっそ…。
分かってるんだろ?

なんで、手を離さないかなんて。

「い、一緒に行く」

櫻井さんの裾を少し余計に引っ張って立ち上がった。

櫻「飲みもん取り行くだけだろ?」

そんなことを言いながらも、
スタスタと歩いてキッチンへと進む。

「うっさいな…」

チラッと櫻井さんに目線を移す。

櫻「……」

やっぱり、かっこいい。

顔は整ってるし、なによりふっくらした唇に視線を奪われる。

……かっこいい。

駄目だ。このままじゃ、ずっと櫻井さんに見惚れちゃう。

「…くそ」

櫻「んあ?どした?」

「なんでも」

櫻「何、飲むの?ビール?」

冷蔵庫から、缶ビールを取り出して
少し意地悪そうに笑った。

「未成年だから、飲めません」

横から、スポーツドリンクをスッと取り出してそのままリビングに戻…

櫻「二宮…」

…ろうとしたけど、後ろから抱き締められたんだ。

「なに…櫻井さん…」

少し嫌そうな素振りを見せる。

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