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チェックメイト

第7章 縮めた距離

(櫻井side)

拒否られた。

まぁ、この状況で手を出そうとした自分が悪いんだが…。

ニ「櫻井さん」

「ん?」

ニ「ごめん…」

「謝んな。俺が悪いんだから」

髪をわしゃわしゃした。
二宮は、嫌そうな顔ひとつせずに
ただやられっぱなし。

ニ「俺、嫌じゃないよ」

「はぁ?嫌だから、拒否ったんだろ」

ニ「…。」

「…。」

…やべぇ。
余計なこと言った。

余計というより、言っちゃいけないことだと思った。

ニ「う…っ…んっ」

あー、泣いちゃった…。

「二宮、ごめん。なんか、こうポロっと…ポロっと口から…」

ニ「本心は、櫻井さんと…」

泣いてない。

「お前、嘘泣きだろ。」

二宮の肩がビクッと揺れる。

「お前、人の心を弄ぶなよ!」

ニ「いやー、暴力はんたーい」

「くっそ!襲うぞ!」

追いかけ回してた二宮が急に立ち止まって言った。

ニ「いいよ」

振り返らない二宮だったけど、
顔が真っ赤なことは簡単に考えることができた。

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