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第7章 縮めた距離

「嘘だよ。寝るか」

今、二宮を襲っても歯止めが利かなくなっちゃうかもだから。

ニ「…襲わないの?」

寝室に足を進める、俺の腕を掴んだ。

「襲えないよ」

不安を拭うように、頭を撫でた。
でも、そんなのは二宮には通用しなかった。

ニ「どうして?」

「どうしてって…」

理由なんて、明確じゃん。
悠斗さんに襲われる恐怖が消えるまでは襲えない。



ニ「俺が汚いから?」


「は?」

ニ「悠斗さんに汚された体なんて、抱きたくないの?」

涙目で訴える二宮。

その姿が、とてつもなく愛しく感じる。

「そんなこと、あるわけないだろ」

ニ「じゃ、なんでよ!抱いてくれないと実感できないよ…」

「抱いたら、二宮は幸せを実感できるのかよ」

結局は、悠斗さんとのセックスが気持ちよかったんだろ?

だから、抱かれないと実感できないんだろうが。

俺は、そんなの嫌だよ。

汚いとかの問題じゃない。

「無理、抱けない」

冷たく言いはなって、寝室に向かった。

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