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第8章 君に夢中さ

車に乗り込むと、にこやかな笑みで俺を迎えてくれた。

「ねぇ、櫻井さん」

櫻「ん?」

「買い物終わったら家に寄っていい?」

櫻「うん」

昼時なら、悠斗さんはいない。
もちろん、姉貴もいない。

誰もいない家だったら、何の恐怖も感じなくて済む。

「櫻井さん家から学校通ってもいい?」

櫻「俺ん家じゃないだろ?」

「え?」

櫻「俺らん家だろ」

再び、にこやかに笑う。
その笑顔がまぶしいです。

「うん」

恥ずかしながらも笑う。

櫻「買い物の前に行った方がいいんじゃない?食料、ダメになるかもでしょ」

「あ、そうだね」

俺が道案内をしながら、
悠斗さんが用意した『鳥籠』の中に
櫻井さんと一緒に入る。

この『鳥籠』から、連れ出してくれたのは櫻井さん。

「制服と、鞄と…必要最低限のものだけとってくるから…ここで待ってて」

玄関に櫻井さんを置いて、部屋に進む。

部屋は、荒らされていて…

寝室には、手錠と縄と鞭と…

思い出したくもない。

クローゼットを開けると、
女物の服ばかりが詰め込まれている。

目を瞑りたくなる。



櫻「うわぁ、趣味悪いな…」



スッと後ろから手が伸びてきた。

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