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第8章 君に夢中さ

監視されてるから。

俺の動きは、全て把握されてる。

だから…櫻井さんのことも知られてしまった。

俺が、ここに二度と戻らないことも。
だから、櫻井さん家に住むことも。

櫻「二宮?」

「あ、先行ってて」

櫻「ん。わかった」

櫻井さんが部屋を出たのを確認する。
そして、玄関の開閉音が聞こえたと同時にカメラを見上げた。

「悠斗さん、すいません。姉貴と…幸せになってください…。姉貴にも、悠斗さんにも二度と会いません。」

涙なんてでない。

やっと。
やっとだよ。

悠斗さんから、解放される。

姉貴には、申し訳ない。

けど、けどね…
幸せになる権利があると思うんだ。

「会いに来ないで。来たら…」

櫻「殺すぞ」

グイッと腕を引かれて、櫻井さんの腕の中に収まる。

櫻「俺んだから」

そのまま、部屋を出て家を出た。

俺の手から鍵を取って、鍵をかけた。
その鍵をポストに入れた。

「櫻井さん…」

櫻「宣戦布告ってヤツ?」

ニコニコしながら、俺の手を握った。

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