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第9章 けど愛しい

「え?」

ニ「……」

「もっかい言って」

わざと言わせようとしてみる。
だけど、二宮は
「絶対に言わない」
と、言わんばかりに口を結んだ。

「ふふ」

そんな強情な二宮を
可愛いと思ってしまう。

ニ「な、なに笑って…っ」

愛しくて、キスを落とした。

唇がフルフルと震えて、
どっちの震えかもわからない。

「……どう?」

ニ「ど、どうって…」

「キス、ちゃんと出来てた?」

ニ「……聞く、な」

……顔、真っ赤。

「二宮、進むからな」

返事を聞かずに、再びキスを落とした。
時々、二宮の口から甘い声が漏れる。

その声を聞きながら、
更に深く口づけしていく。

ニ「っ…ん、ぁ…はぁ…深っ…」

唇を離すと、トロンとした目で俺を見つめていた。

その目は、この先を求めていた。




「…続けるぞ」



首筋にある紅い痕に上書きをしていく。



『コイツは、俺んだ』



いつしか、そんな風に思い始めていたんだ。


ニ「ぅ…うぅ……」


顔をあげると、二宮が泣いていた。

俺と目が合うと、更に声を荒げた。

でも…
俺にはその涙の理由がわかった。

「大丈夫だ、安心しろ」

優しくシャツに手を進めた。

ニ「うぅ…ぅん…ぅ…」



「綺麗だ……」



白い肌に、散らばる紅い痕。
今の言葉に“紅い痕”は入っていない。


「辛かったな…」

ニ「櫻、井さん…」

「ちゃんと、俺が治すから」

ニ「うぅ、ズルい…」

『ズルい』?

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