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第9章 けど愛しい

(二宮side)

櫻井さんは、俺の心の中になんの躊躇もなく入ってくる。

その上、優しく言葉をかけてくれる。

そんなの…ズルいよ。


ちゅっ…。


「んぅ…ぁ…」

俺の体を汚ないって思わない人は、
世界で櫻井さんだけだ。

そんな風に思った。

こんな体に触れてくれる。


こんな俺を



『好き』


と、言ってくれる。


櫻「落ち着いた?」

「櫻井…さん…」

櫻「ん?」


優しく触れてくれる。

俺には、もったないぐらい優しい。

「俺で…いいの…?」

櫻「え?」

だから、確認しておきたい。






「こんな俺でいいの?」






嗚咽に似た声が出る。
櫻井さんは、黙って俺を見つめた。



怖い。
怖いよ…。

『嫌』って言われたら?

怖い、怖い怖い怖い怖い…。













櫻「お前、バカじゃねぇの?」












返ってきた言葉は想定外の言葉だった。


櫻「俺はお前が好きだって言ってんの。好きな人を抱くのに、嫌もクソもねぇだろうが」


口悪いのに、
言い方悪いのに、

どうしてだろう。

櫻井さんの言葉には、


魔法がかかってる。

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