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第9章 けど愛しい

櫻「ほら、ちゃんとするぞ」

俺もそうだけど、櫻井さんの手も震えてるんだ。

「櫻井さん」

櫻「んだよ、まだ何かあんの?」

「キス…して?」

怖いのは、一緒。
震えてるのも、一緒。

想いも…一緒。

『一緒』なら、大丈夫。

きっと、愛し合える。

体も…

心も…

きっと…

ね?櫻井さん…。



「ッ!…んふ…んっ…ぁ」


深いキスで、現実に引き戻される。

一瞬、悠斗さんかと思った。
けど、匂いが違う。

場所が違う。

人が違う。


櫻「お前、熱ある?体、熱い」

「んっ、さく、っ…さんの…ぁ…」

ヒンヤリとした櫻井さんの指が、
俺の体を撫でる。

櫻「ん」

「アッ、んぅ…っ…」

小さく主張してる突起を摘まんだ。
相変わらず、冷たい手には慣れない。

櫻「痛くない?」

「ん、だい…じょ、んぅ…」


俺が、いけないんだ。
感じやすいから、悠斗さんが…。

ちゅっ。

不意に、口づけをされる。


櫻「余計なこと、考えんな」


そう言う櫻井さんの顔は、
どうも切なそうだったんだ。

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