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チェックメイト

第11章 Are you ready?

ニ「え?」

怪訝そうな顔で、俺を見た。

「そんな、怒んなって」

ニ「怒ってないし。てか、なんでそんなこと言うわけ?」

「いや、なんとなく…」

ニ「俺にだって、いるわ」

ですよね…
友達ぐらいいますよね…。

ニ「そーいう、櫻井さんはいないんじゃないの?友達」

「いるし、友達歴、3年だし」

ニ「はっ、俺なんて12年目だし」

うっ…。

てか、そのドヤ顔ムカつく。

「あっそ、12年とかすごーい」

何の感情もいれずに棒読みしてやった。

ニ「ありがとー」

そしたら向こうも棒読みで返してきた。

ムカッ。

クソ、イラついてきた。

ニ「俺、ちょっと出てきます」

「え?」

ニ「コンビニまで、行ってきます」

急に?

「どうして?」

ニ「ボールペン、買ってきます」

あぁ…ボールペンね。
無いと不便だしね…。

「俺も、一緒に行こうか?」

ニ「ううん、大丈夫」

首を横に振った二宮は、
立ち上がって上着を着ると、玄関に向かった。

俺も、二宮を送るために玄関に向かう。

ニ「お皿、水に浸けといてください」

「ん、気をつけてな」

ニ「はい、行ってきます」

背を向ける二宮の腕を掴む。

ニ「ん?」

「ちゃんと、帰ってこいよ」

心からの願いだった。

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