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ドラクエ短編集(クリアリ)

第3章 大切な人※エロ注意!

バタン!と入り口のドアが開いた。

「何っ?!」

マスターを始め、男たちは一斉にそちらを向いた。

そこにいたのは。



「私の大切な女(ひと)に何してくれてるんですか」

(クリフト…!!)

体の自由がきかないせいで見えないが、アリーナは、この柔らかい低音は確かにクリフトのものだと確信した。

「お、お前何者だ?!」

男たちは相手が一人だけということにほっとしたのか、強気な態度に出る。

「一人で乗り込んで来るたぁいい度胸じゃねぇか」

「皆でかわいがって欲しいのか?ん?」

(いくらクリフトでもこんなに相手がいたら……)

アリーナの不安をよそに、クリフトは涼しい顔で答える。

「あなたたちこそ私の大切な人にこんなことをして、ただで済むと思ってるんですか?」

長く一緒に旅をしたアリーナだからこそわかる。
クリフトの言葉には静かな、でもとてつもなく強い怒りがこめられている。

「ただで済まないってんならどうすんだ?あぁん?」

男たちはさらにクリフトに詰め寄る。
華奢な優男の一人くらい、どうとでもなると思ったのだろう。

男たちの態度を見る限り、クリフトは武器らしい武器は持っていないようだ。いくら世界を平和に導く手伝いをしたとはいえ、武闘家でもないクリフトが、武器も持たずに屈強な男たちを相手にするのは…とアリーナが思ったその瞬間。

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