
雪の日の空に
第1章 日常
電車で二駅の所にある会社。
お茶くみ、コピー、電話対応。それが私の仕事。
ただなんとなく私にもできそうな仕事内容という理由で入ったこの会社も、入社してからもう5年目だ。
「おはよう、ゆき。」
会社の制服に着替えていると、後ろから少し高めの柔らかい声がした。
「美咲、おはよう。今日は遅いのね。」
彼女は同期の高橋 美咲。
受け付け担当で、その愛らしい容姿のため社内外の男性からよく声をかけられている。
「うん、服が決まらなくって。」
舌を出しておどけて見せる美咲から、今日はデートだというのが伝わる。
「それで、今日は誰となの。」
「松島商事の坂本さん。」
語尾をわざとらしくあげ、機嫌良さそうな様子からすると、相手はかなりのエリートか。
美咲は見た目に反してかなりの肉食系、狙った獲物は逃がさない、恋愛ハンターなのだ。
そのせいで周りの女子社員は、美咲を目の敵にしている。
恋愛にも結婚にも興味のない私からしてみれば、そんな事どうだっていい。
恋愛抜きにすれば美咲はいい子だ
現にこんな地味で何の取り柄もない私と一緒にいるのだから。
お茶くみ、コピー、電話対応。それが私の仕事。
ただなんとなく私にもできそうな仕事内容という理由で入ったこの会社も、入社してからもう5年目だ。
「おはよう、ゆき。」
会社の制服に着替えていると、後ろから少し高めの柔らかい声がした。
「美咲、おはよう。今日は遅いのね。」
彼女は同期の高橋 美咲。
受け付け担当で、その愛らしい容姿のため社内外の男性からよく声をかけられている。
「うん、服が決まらなくって。」
舌を出しておどけて見せる美咲から、今日はデートだというのが伝わる。
「それで、今日は誰となの。」
「松島商事の坂本さん。」
語尾をわざとらしくあげ、機嫌良さそうな様子からすると、相手はかなりのエリートか。
美咲は見た目に反してかなりの肉食系、狙った獲物は逃がさない、恋愛ハンターなのだ。
そのせいで周りの女子社員は、美咲を目の敵にしている。
恋愛にも結婚にも興味のない私からしてみれば、そんな事どうだっていい。
恋愛抜きにすれば美咲はいい子だ
現にこんな地味で何の取り柄もない私と一緒にいるのだから。
