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雪の日の空に

第7章 偽りの関係

幸か不幸か

この関係が始まってから嫌がらせもさほど気にならなくなっていた

今まで恋なんて煩わしいとすら思っていた私も

はまってしまえばただの女

恋は盲目とはよく言ったものだ

「なんか最近綺麗になったか?」

遠回しなのか何なのか、伊藤さんが恐る恐る近づいて来て言った。

身なりを気にしていない頃に比べれば

それなりに綺麗になったのではないだろうかと自負する。

「そうですか?ありがとうございます。」

おまけに美咲から女子力のある対応とやらを教え込まれている私は、にっこりと笑顔で伊藤さんをサラリと交わす術すら身につけた。

「いや、マジで。綺麗になったわ。」

これが佐月さんの前ではなかなか発揮出来ないから困ったものだ。

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