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雪の日の空に

第7章 偽りの関係

ファッション雑誌を見手に取ると、ペラペラとめくる

こんな事にも興味を持てる日が来るなんて

恋ってすごい。

「雪美、行くぞ。」

肩を叩かれ、驚いて振り向く。

相手の男性も驚いた様にこちらを見て固まっていた。

「翔くん?」

本棚の陰からひょっこりと顔を出した女性が

その男性に声を掛ける

背格好といい、髪がといい、顔もなんとなく自分に似ている

「すみませんっ!」

男性は申し訳無さそうに言うとその女性の所へ向かった。

「だあれ?」

「雪美と間違えて声かけたんだよ。」

「えー、なに?そんなに似てたの?」

2人の会話が耳に届く。

不思議な事もあるものだと思いながら雑誌に目を落とす

似ていると言っても美雪と呼ばれたあの人の方が

数倍愛らしい。

私も頑張ったらあんな風になれるのだろうか。

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