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雪の日の空に

第7章 偽りの関係

時計を見ると、もう佐月さんの仕事が終わる時間だった。

急いで待ち合わせ場所へ向かう。

もちろんあの橋の上だ

ほとんど定番となったここは初めて佐月さんと出会った場所。

そこに着くと、佐月さんの姿はまだ無かった。

いつも佐月さんがしている様に

橋に寄りかかり川を眺める。

「ゆき。」

「佐月さん!」

その声に満面の笑みを浮かべ振り向いた。

「えっ!?塩沢さん?」

そこに立っていたのは佐月さんではなく塩沢さんだった。

「悪かったな、佐月じゃなくて。」

「すみません…。」

普段ゆきなんて呼ばない塩沢さんが、わざと声色を佐月さんに寄せて呼ぶから全くわからなかった。


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