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雪の日の空に

第7章 偽りの関係

私が準備を始めると、佐月さんはベッドの上からその様子を見ていた。

「あのっ、お邪魔しました。」

「うん。いってらっしゃい。」

ヒラヒラと手を振る佐月さんを置いて、部屋を出た。

昨日と同じワンピースを着ての出社

気合を入れていたとはいえ、こんな格好だと朝帰りがバレバレだ。

なるべくバレないようにして、コートで中身を隠す。

いつもと違う出社コースに、少しドキドキしながら道を歩く。

「朝帰り?」

「わぁっ!」

後ろから急に声をかけられ心臓が飛び出しそうなほど驚いた。

「佐月んとこか?」

私の事も見ず、真っ直ぐ前を見ながら話す塩沢さん。

「えっ!?」

完全にばれている、それが恥ずかしくて俯いた。

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